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格言の力

作成者: 村山 俊介|Jun 7, 2021 11:15:00 PM

 

反対のことわざあれこれ

 

・好きこそものの上手なれ ⇔ 下手の横好き

・一石二鳥 ⇔ 二兎を追うものは一兎を得ず

・果報は寝て待て ⇔ 思い立ったが吉日

・嘘つきは泥棒の始まり ⇔ 嘘も方便

・君子危うきに近寄らず ⇒ 虎穴に入らずんば虎子を得ず

・渡る世間に鬼はなし ⇔ 人を見たら泥棒と思え

・二度あることは三度ある ⇔ 三度目の正直

・三人寄れば文殊の知恵 ⇔ 船頭多くして船山に上る

 

ことわざって、まったく正反対のことを言っているものがいくつもありますよね。

 

反対のことわざは何のためにあるのか

 

あれは、自分の心を誘導するためにあるのです。

私も子供の頃は、どうして正反対のことわざがあるのか理解できませんでした。

 

どちらが正解かわからないのでは、教訓としてはまったく役に立たないじゃないか、結局自分で考えろということかい!ってね。

 

 

確かに、自分で正解を出さなくてはならない、という点についていえばまった くその通りで、人生ってやつは、答えはひとつではないですからねぇ。

 

やりようによっては、正反対のことをやっても、どちらも正解にたどり着ける 可能性すらあります。

 

とはいえ・・・

正反対の格言があるということの、本当の意味はそこにあるのではなく・・・

 

自分の情動を理性に従わせるための、道具としてとても役に立つものなのです。

 

言葉のもつインパクト

 

たとえば、あなたが嗜好する行動が、世間的にはとても恥ずかしいことだとし ましょう。あなたの理性では、それをとてもやめたい。でも、行動は理性より情動の働きに流されてしまいます。

 

なんの理由もないけど、どうしてもそれをやりたい!という情動が発動しかか っている。さあ、どうするか。

 

そこであなたは自分に言い聞かせるのです。そんなことをしては「末代までの 恥である」と。

 

末代まで、という具体的なイメージ付けによって、単なるあいまいな恥が、ど れほどの大きな恥であるか、また、その恥が自分のみならず子孫にまでおよぶ という影響力の大きさ。それらがこの言葉に大きなインパクトを生み出し、あなたの行動に強くブレーキをかけてくれます。いわば暗示のようなものです。

 

おわりに

 

日本人は特に江戸時代、漢籍を尊重し、孔孟の書などを「素読」させる文化が あったと聞きますが、その時代の肚のすわった人たちというのは、きっとその 素読の中で心に銘じた文言を自分に言い聞かせることで、私心を離れ正しい行 いを選択することができたのでしょう。

 

あなたも、自分が正しいと思っていることを、どうしても嫌がっているもう一 人の自分に気づいたら、格言の力を使ってみてはいかがでしょうか?

 

本日は、東京都世田谷ちゅうしん整体院 村山先生のコラムを紹介いたしました。