ネガティブ思考で悩みやすい方、自分を変えるためにいろいろな工夫をされたと思います。
記憶力を鍛える、という方法は試してみましたか?もしまだなら、やってみる価値はあると思います。
どうして、記憶が良くなると、悩みがなくなるのか?⇒行動しやすくなる
悩みの発端は思考停止によるものです。
よく、行動すると悩みを忘れることができる、今できることに集中しよう、今を充実させ よう、ということが言われます。
思考停止のひとつの原因は、連想が止まることです。いま、何をするべき?といったときに、答えがなかなか浮かばない。そこで、悩む思考回路に陥ることが多いと思いませんか?
記憶力を鍛えるということは、今すぐ課題を打開する、連想力を鍛えることと非常に近いものがあります。たとえ、直接の解決策にならないとしても「あ、これをしてみよ う!」というひらめきは、実は過去の自分の記憶をヒントとして手繰り寄せているのです。
もし、このヒントをすぐに思いつけるのなら、迷いなく行動に移れます。行動に勢いがつきます。
しかし、同じヒントでもなかなか出てこなかったとしたら、ようやく出てきたときには行動する勢いが弱まってしまっていて、せっかく思いついたヒントも色あせ、やる気につながらないということが往々にして起こります。
実は、これはワーキングメモリーとも密接に関係します。
なかなかヒントが出てこないときは、そのヒントを手繰り寄せるためにワーキングメモ リのかなりの容量を圧迫してしまいます。そうすると、忍耐力や行動力、行動につなが る意欲というものが、ワーキングメモリの圧迫によって、発動しにくくなるのです。
ワーキングメモリに負荷をかけることなく、パッと思い出せるもの(思いるけるもの)ほど行動につながりやすいということなのです。
※ワーキングメモリとは
ワーキングメモリは、短期記憶とよく似ていますが、短期記憶のみを指すのではありません。
頭にどの短期記憶を残しておくのか取捨選択したり、さらにその短期記憶を思考のために引き出したり、加工したりするような短期記憶の操作(中央実行系)を含む全体の機能をさしています。
ワーキングメモリの機能には、前頭葉の働きが大きく寄与していると考えられています。
ワーキングメモリの余裕は感情のコントロールに必要
ワーキングメモリをつかさどる前頭葉に無理をさせずに行動できるようになると、前頭葉は感情を抑制する能力を十分に保つことができます。 つまり、心を平静に保ちやすくなるのです。
逆もいえます、心を乱すようなできごと、たとえば腰痛のような痛みでもいいです。そのような嫌な信号が前頭葉にストレスを与えると、思考力が鈍ることは誰でも経験していると思います。記憶力も鈍るようです。
しかし、ワーキングメモリーの容量が大きい人の場合、ストレスが加わっているときでも、記憶力が落ちにくいことが実験で報告されています。
語学の勉強は特に効果的?
また、作家の坂口安吾、翻訳家の木田元がそれぞれの著作の中で語学の勉強による効果について書いています。
坂口安吾は、精神不安に駆られる暇もなくなるくらい、徹底的に語学を勉強した。そう しているうちに、いつの間にか神経衰弱を克服した、と書いています。
面白いのは、その際、神経衰弱のためか、興味が持続しないので、色々な言語に手を出したということです。
これは、勉強が苦手な人には参考になるのではないでしょうか。
受験勉強の必勝法としても、ひとつの科目にこだわらず、ころころと、科目を変えて勉強することが、脳を活性化する効用をもたらすことがしられています。気分転換って大事ですよね。
ただ、勉強の気分転換を、別の勉強で行うというところがポイントなのですけれど。
木田元の場合は、語学の勉強を規則的に続けていると、着実に力がついてくる実感 が得やすく、精神を安定させる効果があるといっています。
単に精神を安定させることが目的ならば、文法など一切無視で、ひたすら単語を覚え続けるのもいいかもしれません。
こちらに坂口安吾、木田元の書いた文章の抜粋あります。(詳しくはこちら)
記憶の助けに、暗記テクニック一例
ここからは、ワーキングメモリとは別種の記憶力になるので、少し本題からはずれることをご容赦ください。
たとえば、円周率を何桁まで覚えられるか、みたいに、ひたすら数字の列を暗記す る、といったときに便利な方法です。
ペグ法といって、数字を何か具体物に置き換える方法です。 たとえば、英語圏では次のような置き換えが良く知られています。
1(one)=パン(bun)
2(two)=靴(shoe)
3(three)=木(tree)
4(four)=ドア(door)
5(five)=ミツバチの巣箱(hive)
6(six)=ステッキ(stick)
7(seven)=天国(heaven)
8(eight)=門(gate)
9(nine)=ワイン(wine)
10(ten)=にわとり(hen)
参照:https://learn-tern.com/peg-method/
これらは、音に着目して置き換えています。発音が似ている別の言葉に変えているのですね。
私の場合は、映像的なイメージなども適宜、混ぜて使っています。
私が個人的に使っているペグは以下の通りです。
1 ⇒犬(ワンの鳴き声から one となる)
2⇒白鳥(見た目のイメージ)
3⇒耳(見た目のイメージ)
4⇒カカシ(見た目のイメージ)
5⇒ご、の語呂合わせでゴリラ
6⇒達磨さん(横からみたイメージ)
7⇒ハンガーフック(見た目のイメージ)
8⇒マトリョーシカ人形(見た目のイメージ)
9⇒勾玉(見た目のイメージ)
10⇒公衆電話(テレホンカードタイプ)
公衆電話は????ですよね。
独りよがりな置き換えですが、公衆電話の四角い本体と、そこにひっかけられている受話器をそれぞれ0と1に見立てて、つなげて 10(左に受話器、右に本体)という映像的なイメージです。
これが優れているとは全く思っていません。
なぜか、自分にとっては連想しやすいものだったから採用しただけなので あまり参考にはならないかも・・・
なんにせよ、このような置き換えを、まず完璧に頭に入れてしまいます。これは、長期記憶になるくらいにまで刷り込む必要があります。
そのうえで、覚えたい数字の列を、これらのペグに置き換えてストーリーをつくります。 たとえば、イチローの打った安打数 4367本(日米通算)を覚えたければ
4⇒カカシ、3⇒耳、6⇒達磨さん、7⇒ハンガーフック
これらが順に登場する、突飛で奇抜なストーリーを考えます。 それを、自宅の家の間取りに配置するのも、一層おぼえやすくしてくれます。
自宅に入ったら、玄関でカカシ(4)が自分の耳(3)がなくなってしまったと大騒ぎで探し回って、廊下を通ってリビングに駆け込んでいった、リビングに入ったとたんに、足元にあった達磨さん(6)が蹴飛ばされて宙を飛び、カーテンレールにかかっていたハンガーフック(7)の上にスポッとはまってしまった。
なんていう架空のできごとを、実際に自分の家の玄関からリビングまでの空間の中で ありありと想像できれば、「4367」という数列をいつでも思い出せます。
つまりペグ法というのは
1.数字を具体物に置き換える
2.その具体物を使って突飛なストーリーをつくる
3.そのストーリーが長期記憶になるように何度も頭に刷り込む
という手順です。
思い出したいときは、ストーリーを思い出すことで
順番に必要な数字が引き出せるようになります。
イチローの通算安打数、みなさんならどう覚えますか?
本日は、東京都世田谷ちゅうしん整体院 村山先生のコラムを紹介いたしました。