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増加する男性更年期障害、あなたの周りにもいませんか

作成者: 有山 知恵子|Dec 2, 2019 3:09:17 AM

更年期障害は女性だけのものと思っていませんか?

実は、更年期障害は男性にも起こります。

女性とは症状の出方が違う部分がありますが、辛い症状が起きるところは同じです。

辛い症状を抱え込まないように、ご本人はもちろんご家族も一緒に男性更年期障害について見ていきましょう。

 

男性更年期障害はなぜ起こる?その仕組みを知ろう。

以前は更年期障害と言えば、女性特有のものでした。

女性の更年期障害は、卵巣の機能低下によって女性ホルモンの分泌が低下することが原因です。

閉経の前後5年間、合わせて10年間が更年期と呼ばれ、女性ホルモンの低下によってさまざまな更年期症状が出ます。

その中でも日常生活に支障をきたす症状を更年期障害と呼びます。

女性の更年期症状・更年期障害は、閉経後に徐々に治るのが特徴です。

それに対して男性更年期障害は、閉経という契機はなく、加齢によって男性ホルモンの低下が緩やかに続くことが原因の1つになります。

その低下スピードや時期は個人差が大きいですが、40代頃から更年期症状が見られ始めます。

そして、更年期という期間に終わりがないのが特徴です。

 

その症状、更年期障害かもしれません。

男性更年期障害の症状は、女性の更年期障害と似ており、どちらも自律神経失調症状が出ます。

しかし、症状の頻度が違ったり、男性特有の症状が出る場合があります。

男性更年期障害の症状を、頻度が多い順にご紹介します。

  1. 神経質(些細なことでイライラする、不機嫌)
  2. 疲れやすい
  3. 不眠症状
  4. 興奮状態(激昂する、当たり散らす)
  5. 抑うつ状態(落ち込み、涙もろくなる、やる気の低下など)
  6. 背中や首の痛み、肩こり
  7. 頭痛
  8. 発汗、ほてり、のぼせ
  9. 頻脈、動悸
  10. 記憶力や集中力の低下
  11. めまい
  12. 便秘
  13. 神経症(強い不安感)
  14. 神経過敏
  15. 寒気

この他、男性特有の症状として、性欲の減退やインポテンツ(ED)、朝勃ちがなくなるなどの現象が起きる場合があります。

また、男性更年期障害で問題になるのが、男性ホルモンの低下によってさまざまな病気が引き起こされることです。

その中には、糖尿病やメタボリックシンドローム、骨粗鬆症、動脈硬化、心疾患など、命を縮める可能性の高い病気が含まれています。

 

ご主人にこんな症状はないですか?

最近、夫が些細なことで怒ってきて困る、いつもイライラしている、休日いつも出かけていたのがソファから動かなくなった、仕事のミスが増えて自信をなくしているなどの症状が見られる場合、男性更年期障害の可能性があります。

いつものパパ・お父さんらしくないと感じたら、男性更年期障害かもしれません。

ご主人自身が気づいていない、男性更年期障害を知らないケースもよくありますので、ご家族が気づいてあげることが大切になります。

男性ホルモンをしっかり出し続けるには生活改善が肝。

男性ホルモンの低下は加齢によっておきますが、男性ホルモンの分泌を促す方法はいくつかあります。

まず、運動が重要になります。運動によって男性ホルモンの分泌が促されますし、肥満による男性ホルモンの分泌低下を防ぐことができます。

まったく運動習慣のない方もこれを機にウォーキングやスポーツなどを始めることをおすすめします。

次に食事が重要になります。男性ホルモンの原料はコレステロールです。

コレステロールは過剰に摂ると問題ですが、不足していると材料不足になってしまいます。

栄養バランスの整った食事を心がけることが大切です。

そして、ストレスを溜めない健康的な生活が大切になります。

早寝早起きや、シャワーだけでなく湯船にゆっくり浸かる、禁煙、飲酒は控えめにするだけでも違います。

整体やエステなど、ゆっくりリラクゼーションを楽しむのもいいですね。

できるところから生活習慣を改善してきましょう。

 

症状が辛い場合は早めに病院で治療を

男性更年期障害は、女性の更年期障害と違って終わりがありません。

そのため、男性更年期障害の症状がひどい場合には、早めに病院で検査を受け、必要に応じて治療を受けることが大切になります。

生活習慣を改善しても体調が悪く、血液検査で男性ホルモンの低下が見られる場合、症状に応じて漢方薬やうつ病の治療薬、ED治療薬などが処方されることがあります。

また、更年期症状がひどい場合には、男性ホルモン補充療法という治療が選択肢として出てきます。

筋肉注射で男性ホルモンを打ち、足りなくなっている男性ホルモンを補うことができます。

 

まとめ

男性更年期障害によって、生活の質が低下することはできるだけ避けたいですね。

症状がひどい場合には、仕事や家庭でのトラブルに繋がり、症状の負の連鎖にはまり込むことになります。

夫婦関係や家族関係、職場の人間関係を円滑にするには、自身の身体的・精神的健康が重要になってきます。

男性更年期障害に対する治療法はありますので、もし気になる症状がある場合には、病院を受診しましょう。

男性ホルモンの検査や治療は、泌尿器科のほか、男性専門外来やメンズヘルス外来、男性更年期外来などで受けることができます。

対応していない泌尿器科もありますので、事前にホームページの検索や電話での確認をおすすめします。

 

◇ 鍼灸師・有山知恵子からのアドバイス ◇

男性の40代というと、仕事で重要なポジションに就いたり、
家庭では育児や家事をこなす人も増えてきています。
ただ忙しさに追われて、自分のケアは怠りやすくなります。
男性は女性に比べると、治療院などに通院する方は少ない感じがします。
症状が悪化する前に、定期的なケアをすることで、QOLを高める事もできます。
周りに何か不調を抱えている男性がいたら、体のケアを勧めてあげてください。

有山知恵子
鍼師、灸師(国家資格)
日本体育協会認定AT(合格率1%以下の時代に取得)
栄養士(都道府県知事資格)

病院のリハビリ室や、シンクロやアメフトなどのスポーツ現場で、栄養士やアスレティックトレーナーの資格を活かし活動。

東洋医学と女性の健康の第一人者として、
主に横浜市、東京都新宿区でのセミナーを定期的に開催。

セラピストとして抜群の人気を誇り、その知識を講師として後輩セラピストに伝える。
「更年期に悩む女性のサポート」
「妊活に悩む女性のサポート」
「子育て中のママの健康」
の専門家として、
同業者向けセミナーや、
患者様向けに教室を開催。

現在、一般社団法人婦人科セラピー協会で、技術を指導するテクニカルディレクターとして活躍中。