20代・30代の頃に流行ったストレートやスキニーデニム、今も履くことができますか?女性のからだは年齢を重ねるごとに変
化していきます。
特に、女性の体型変化のターニングポイントになるのが、思春期・産後・更年期の3つです。
特に更年期は、閉経に向けて女性ホルモンが減少していくため、体内でさまざまな変化が起こります。
この変わりゆく体型はどうなっていくのでしょうか?
皆さん、20代の頃はどんな体型でしたか?スキニーデニムやミニスカートを履いたり、体型の出るピタッとした服を着こなし、
デザインのかわいさや好み重視でファッションを楽しんでいた方も多いのではないでしょうか?
ところが40代に入る頃には、デザインよりも体型をいかにうまく隠せるかというところを重視したファッションに変わってき
ている方も多いはずです。
ウエストのくびれはどこへやら、お尻周りは下垂し、全体的に丸みがどんどん増していることでしょう。
これは、女性ホルモンの変動によって、脂肪の付き方が変化しているためです。
もちろん、それだけではなく、食生活や運動量などによって変化しますが、更年期という下地がある分、今までの年代に比べて
太りやすいのは事実です。
太るということは、脂肪が増えることが大きな原因です。
脂肪は、体重の20〜25%を占めており、その脂肪組織の中に体に必要なエネルギーが蓄えられています。
脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類に分かれますが、それぞれの役割は下記の通りです。
◼︎皮下脂肪
皮膚の下にある脂肪です。外からの刺激を吸収したり、気温の変化を断熱し、体温を一定に保つ働きがあります。
◼︎内臓脂肪
内臓、特に腹部にある腸の周りにある脂肪です。この脂肪は、内臓を正しい位置に保つ働きがあります。
一般的に、女性は下半身に脂肪が付きやすく、皮下脂肪型(下半身型)の肥満になりやすいです。
これは性ホルモン(女性ホルモンや男性ホルモン)が関係していて、男性の場合は内臓脂肪型(上半身型)の肥満になりやすくなっています。
ところが女性は更年期を迎えると、女性ホルモンが減って男性ホルモンのほうが多くなるため、男性と同じく内臓脂肪型の肥満
になりやすくなります。
そのため、今までは腹部やお尻、太ももに付きやすかった脂肪が、内臓周りに付くようになり、太ももは細くなり、逆にウエス
ト周りに脂肪が付き、くびれがなくなっていきます。
更年期を迎えると、卵巣機能の低下によって女性ホルモンが低下し、それを補うために脳が司令を出します。
この脳の司令によって自律神経のバランスが乱れたり、からだにさまざまな影響を及ぼします。これが更年期症状です。
更年期症状は、イライラや落ち込み、やる気の低下などの精神的な部分への影響が大きく出る場合があります。
その解消のために、甘いものや高カロリーの食べ物を食べすぎてしまうと、肥満につながることになります。
代謝も落ち、さらに内臓に脂肪が付きやすい更年期に過食の傾向があると、あっという間にメタボリックシンドロームへ進行す
る危険が高まります。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪症候群ともいわれ、内臓脂肪が過剰に蓄積し、さまざまな生活習慣病の引き金を引きか
けている状態です。
高血糖や高血圧、高脂血症など、命の危険につながることも予想されます。
そのため、更年期の女性は、更年期という状態に合ったカラダ作りが必要になります。
更年期はそれでなくても、精神的に辛い時期です。がむしゃらに体重を絞るダイエットでは、精神的辛さを増やしてしまうため
長続きしないでしょう。
効果的なダイエットには、体重を減らしていく理由や、達成可能な明確な目標を立ててから取り組むことが不可欠になります。
まず、内臓脂肪のめやすとなる、ウエスト周りを減少させることを目標にしてみましょう。
ウエスト周りは、1cm減少させるのに約1kgの減量が必要で、そのエネルギーは約7000kcalに相当します。
無理なく1ヶ月でウエスト周りを1cm減少させるには、1日あたり約240kcalのエネルギー不足状態が必要になります。
これには、240kcal分の運動(サイクリングやランニング30分程度)をするか、運動で100kcal(ウォーキング20分程度)を消
費して食事を140kcal分(お茶碗に軽く一杯分のごはん)カットするなどの運動と食事の見直しが必要になります。
ご自身のライフスタイルや、運動の得手不得手、カロリーダウンがどれだけ可能かによって、うまく運動と食事を組み合わせた
ダイエットを行いましょう。
イライラしてお菓子を大量に食べてしまうことのないように、無理のない範囲で始めてみてください。
更年期は今までの年代の肥満と違い、重篤な病気を招く恐れのある内臓脂肪型の肥満になりやすい状態です。
内臓脂肪型の肥満は、お腹の中の内臓周りの脂肪が増えるため、気づく頃には思った以上の脂肪量が付いていることもありま
す。
早めの対策が肥満を抑制し、健康寿命を延ばすことにもつながりますので、更年期のうちに生活を見直しておきましょう。
◇ 鍼灸師・有山知恵子からのアドバイス ◇
年齢とともに、エネルギーの吸収のシステムは変化していきます。
その中で特に気をつけたいのが『糖質』です。
10代であれば糖質をエネルギーとして使うことができますが、
更年期にあたる、40代〜50代辺りから、糖質をエネルギーに変える力が減ってきてしまいます。エネルギーとして使えなくなった糖質は、脂肪として蓄積されていってしますので、年齢とともに、糖質の摂り方を見直していきましょう!
有山知恵子
鍼師、灸師(国家資格)
日本体育協会認定AT(合格率1%以下の時代に取得)
栄養士(都道府県知事資格)
病院のリハビリ室や、シンクロやアメフトなどのスポーツ現場で、栄養士やアスレティックトレーナーの資格を活かし活動。
東洋医学と女性の健康の第一人者として、
主に横浜市、東京都新宿区でのセミナーを定期的に開催。
セラピストとして抜群の人気を誇り、その知識を講師として後輩セラピストに伝える。
「更年期に悩む女性のサポート」
「妊活に悩む女性のサポート」
「子育て中のママの健康」
の専門家として、
同業者向けセミナーや、
患者様向けに教室を開催。
現在、一般社団法人婦人科セラピー協会で、技術を指導するテクニカルディレクターとして活躍中。