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「女性に多い肩こり、更年期障害との関係性は?」

ガチガチになった頑固な肩こり、お困りの方も多いことでしょう。更年期症状の1つに肩こりがあり、更年期には肩こりに苦しむ女性が多くなります。更年期と肩こりにはどんな関係があって対処すればいいのでしょうか?肩こりについて西洋医学と東洋医学の両方から考えてみましょう。

 

肩こりは全身の痛みにつながる

肩こりと聞くと、肩の張った感じや凝り、痛みを想像するかもしれません。実際は、肩だけでなく、首すじや首の付け根、背中にもその症状が見られる場合があります。

また、それらの症状が出る場所を無意識にかばおうとするため、全身のバランスが悪くなり、さらなる関節痛や全身の痛みに繋がることもあります。また、肩こり自体も時間とともにひどくなることが多いです。

 

時間とともに変化していく症状

肩こりは悪循環しやすく、どんどん症状がひどくなる場合がります。肩こりがどうして起きるかについては、下記のように考えられています。

①首から肩にかけての筋肉の緊張が続くことで、筋肉が硬くなる

②筋肉が硬くなると、血流が悪くなるため酸素や栄養分がうまく運ばれなくなる

③さらに乳酸などの老廃物が溜まることで痛みが出る

④この痛みがさらなる筋肉の緊張を引き起こし、①に戻る

この悪循環によって肩こりがひどくなり、痛みの範囲も広がり、頭痛や吐き気を伴うこともあります。

東洋医学的にも、肩こりは「気・血」というエネルギーや栄養がめぐらなくなって起こると考えられています。

更年期は、ホルモンバランスの変化によって、自律神経に影響を及ぼすため、血液の流れや血圧などにも影響を与えます。肩こりになる下地ができている状態と言えますので、更年期には肩こりが起きやすいことがわかります。

 

人によって辛さは違う、その違いは?

肩こりには、病気によって起こる肩こりと、原因となる病気がはっきりしない肩こりの2つに分けることができます。

病気によって起こる肩こりは、椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群、首や肩などの骨・筋肉疾患や、高血圧、胃炎、胃潰瘍、眼精疲労などの疾患が原因になる場合があります。肩こり以外に、しびれがあったり、肩が上がらないなどなにか気になる症状がある場合は病院を受診しましょう。

また、狭心症や心筋梗塞などの命に関わる病気が原因であることもあります。もし肩こりが階段を上る時や走った時などの運動時に起こるようであれば、早めに病院を受診しましょう。

原因となる病気がはっきりしないものは、パソコンなどのデスクワークを長時間続けたり、姿勢の悪さ、肥満や痩せすぎ、冷え、ストレスなどによって肩周辺の筋肉の緊張状態が続くことで引き起こされます。更年期による肩こりもここに該当します。これらは病気と違い、薬物治療や外科的治療によって完治するものではないため、日常生活を見直すことが大切になります。また、痛みなどの症状に対しては、痛み止めの処方など症状を和らげるための治療を行うことになります。

更年期の肩こりの場合、閉経に向かって起こるホルモンバランスの変化が原因になるため、女性は避けては通れない道です。では、更年期の肩こりとうまく付き合うにはどうすればいいでしょうか?

 

更年期の肩こりに負けない身体作り

更年期は避けては通れませんが、肩こりなどの更年期症状を和らげる方法はあります。

東洋医学では、肩こりは冷えやストレス、血流の淀み(瘀血:おけつ)などが原因と考えられています。これらを改善するには、からだを温め、十分な休養を取り、食生活や運動不足を改善することが大切です。

具体的には、下記の方法が挙げられます。

◼︎シャワー浴ではなく毎日湯船に浸かる

◼︎夏場は冷房の温度設定は下げすぎない

◼︎冬場は手先や足先、3首(首・手首・足首)をしっかり防寒し温める

◼︎栄養バランスの摂れた食事を3食しっかり食べる

◼︎運動を130分でもいいので毎日継続して行う

◼︎ストレスが溜まる環境を避ける

◼︎十分な睡眠を取る

これらの日常生活の改善に加え、漢方を内服することで、「気・血」の流れをスムーズにし、肩こりを和らげる効果が期待できます。また、鍼灸や整体での施術やヨガやピラティスなどの運動も効果的です。

もし肩こりなどの更年期症状がひどく日常生活に支障をきたしている場合には、婦人科を受診し、ホルモン補充療法などの治療を受けることが勧められます。

 

まとめ

肩こりは、更年期症状の中でも高い頻度で現れる症状の1つです。肩こりは、肩だけでなく首や背中、ひどい場合には頭痛や全身の痛みの原因になることもあります。肩こりの悪循環を絶つためにも、健康的な生活を心がけ、できるだけストレスの少ない生活を心がけることが大切です。

また、鍼灸や整体の施術を受けたり、ヨガを始めたりすることで、更年期症状が和らぐ可能性が高くなります。もし、更年期で肩こりに悩む方がいたら、ぜひこの機会に試してみてください。症状がひどい場合には、無理せずに婦人科を受診することも大切ですので、ご自身のからだの状態と相談しつつ、更年期を乗り越えましょう。

 

◇ 鍼灸師・有山知恵子からのアドバイス ◇

顎が前に突き出し、肩が内側に入るような猫背の方は、
肩こりの訴えが多いですよね。筋肉の緊張が呼吸中枢にストレスを与え
自律神経の乱れも引き起こしてしまいます。
そんな方は、呼吸が浅くなっている方がとても多いです。
自律神経へのアプローチとして、鍼灸・整体などを利用してみたり、
ご自身で『深い呼吸』を心がけて、身体も心もゆったりと過ごしてもらいましょう。

有山知恵子
鍼師、灸師(国家資格)
日本体育協会認定AT(合格率1%以下の時代に取得)
栄養士(都道府県知事資格)

病院のリハビリ室や、シンクロやアメフトなどのスポーツ現場で、栄養士やアスレティックトレーナーの資格を活かし活動。

東洋医学と女性の健康の第一人者として、
主に横浜市、東京都新宿区でのセミナーを定期的に開催。

セラピストとして抜群の人気を誇り、その知識を講師として後輩セラピストに伝える。
「更年期に悩む女性のサポート」
「妊活に悩む女性のサポート」
「子育て中のママの健康」
の専門家として、
同業者向けセミナーや、
患者様向けに教室を開催。

現在、一般社団法人婦人科セラピー協会で、技術を指導するテクニカルディレクターとして活躍中。