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「更年期障害による不安感から脱出するために」

作成者: 有山 知恵子|Aug 29, 2019 11:00:20 PM

更年期症状は、個人差が大きく、症状の出方も人それぞれです。

イライラが強く周りに当たってしまう人もいれば、不安感が強く自分を責め続ける人もいます。

これらの症状によって、日常生活に支障をきたした状態を更年期障害といいます。

更年期は、閉経の前後5年間と期間が限定されてはいるものの、明確にいつ終わるとはわからないため不安が募りやすい状態です。

この更年期の不安感から解放されるにはどうしたらいいのでしょうか?

更年期の不安感は性格のせい?

更年期症状には、身体的・精神的なさまざまな症状があります。

身体的症状としては、肩こりや疲労感、頭痛、のぼせなどがあり、精神的症状としては、イライラや気分の落ち込み、不安感などがあります。不安感は、言いようのない漠然とした不安を感じるため、思考がマイナスに向かいやすくなる状態です。

このような症状は、女性ホルモンの低下や社会的・環境的要因のほか、性格が発症要因の1つになります。

性格は、その人の行動や思考を決定する特有の性質ということができます。神経質だったり、おおらかだったり、怒りっぽかったり、まじめだったり、人それぞれいろいろな性格があります。

この性格は、遺伝的なものが50%程度関係してきます。

不安を感じやすい性格の場合、神経伝達物質の1つであるセロトニンに関わる遺伝子が短い可能性があります。

この遺伝子が短いと、不安が高くなりやすい傾向になることがわかっていますが、もちろんこの遺伝子だけで不安を感じやすい性格であると決まるわけではありません。

その他の遺伝子も複雑に影響しあって、その人の性格の一部が形作されます。

遺伝要素以外にも、育った環境や歩んできた人生などさまざまなものが性格に影響します。

そのため、正確にいうと、更年期の不安感は性格が発症要因と言うよりも、遺伝子的に不安感が強くなりやすい人がいるといえます。

遺伝的な要素以外に、その人を取り巻く環境も性格に影響を与えるため、一見すると明るい性格の人でも、更年期症状で不安感が強く出る場合があることを覚えておきましょう。

刻々と変化する更年期

生まれてから現在まで、女性のからだは刻々と変化し続けています。

思春期には初潮が訪れ、毎月生理が来るようになります。

妊娠〜産後は、ホルモンバランスの変調に苦しんだ方も多いかと思います。そして、更年期である閉経前後5年間は、さらに劇的なホルモンバランスの変調が訪れます。

更年期は、女性ホルモンの分泌がゆらぎながら低下していくため、さまざまな不快な症状が現れます。

症状には個人差があり、日によっても症状の出方が変わることがあります。

中でもホットフラッシュは、突然、顔が赤くなったり、大量に発汗したりする、更年期障害の代表的な症状です。

場所や時間を問わず突然起こるため、いつ起こるのかという不安感が増し、外出しづらくなったり、気分の落ち込みに繋がったりする場合があります。

このように、更年期は身体的な症状と精神的な症状の両方が次々に出てくるため、女性にとって辛い期間になることが多いです。

自分で簡単に対処するには

更年期症状は、女性ホルモンの分泌の低下で起こるため、婦人科を受診し、ホルモン補充療法を受けることで症状の改善が期待できます。

不安感が強い場合には、不安感を和らげるお薬もありますので、一度婦人科を受診してみましょう。

また、ご自身で不安感を和らげる方法もあります。

まず、ストレスを溜めないことが大切です。

ストレスは自律神経のバランスを崩すため、不安感などの症状を強くする要因になります。

なにがストレスになっているか、家族や友人と話したり、紙に書きだしてみましょう。

ストレスの元を見つけることができれば、ストレス緩和の糸口になるでしょう。

そして睡眠を十分取り、栄養豊富な食事を3食摂り、適度な運動をすることが大切です。

更年期をプラスのイメージにするために

更年期は、辛い症状がピックアップされがちですが、女性の今までの人生を見直すとてもいい機会になります。

今まで家族のために走り続けて酷使したからだを、しっかりメンテナンスをしてあげましょう。

この機会に健康診断や人間ドッグを受けるのもいいですね。

また、カイロプラクティックやアロママッサージを受け、からだを十分に休ませるのもおすすめです

気分転換に旅行へ行くのもいいですね。

日頃の疲れやストレスを解消するのに、非日常体験は効果的です。

そして、リフレッシュした頭で、仕事のバランスや、家族や同僚との関係を振り返ってみましょう。

なにか現状を改善できるきっかけが見つかるかもしれません。

まとめ

更年期は、女性の人生を見つめ直すメンテナンス期間です。

辛い症状に目を向けていると、不安感が強くなり、さらにほかの症状を強くすることにも繋がりかねません。

更年期の症状を改善するためにできる、最高の癒しを考えてみましょう。

今まで約50年間頑張ってきた自分へのご褒美です。

ぜひ、自分のためだけのステキな時間を過ごしてみてください。

 

◇ 鍼灸師・有山知恵子からのアドバイス ◇

更年期の症状が現れると、塞ぎ込みやすくなりますよね。
不安などの感情は大脳辺縁系の扁桃体で感じとったりしています。
海馬を刺激することで、扁桃体への神経も刺激され活性化してくるので、適度な運動で更年期の症状を和らげましょう!
1人で不安感に襲われた時には、ぜひ運動してみてください!

有山知恵子
鍼師、灸師(国家資格)
日本体育協会認定AT(合格率1%以下の時代に取得)
栄養士(都道府県知事資格)

病院のリハビリ室や、シンクロやアメフトなどのスポーツ現場で、栄養士やアスレティックトレーナーの資格を活かし活動。

東洋医学と女性の健康の第一人者として、
主に横浜市、東京都新宿区でのセミナーを定期的に開催。

セラピストとして抜群の人気を誇り、その知識を講師として後輩セラピストに伝える。
「更年期に悩む女性のサポート」
「妊活に悩む女性のサポート」
「子育て中のママの健康」
の専門家として、
同業者向けセミナーや、
患者様向けに教室を開催。

現在、一般社団法人婦人科セラピー協会で、技術を指導するテクニカルディレクターとして活躍中。