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マンモグラフィーの問題点

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◆乳がんと生涯生理回数

日本および世界の乳がん患者数は増加の一途をたどっているようです。

 生涯のうちに乳がんになる女性の割合は、50 年前は 50 人に 1 人でしたが、現在は 14 人に 1 人 と言われており、年間 6 万人以上が乳がんと診断されています。また、 乳がんで死亡する女性の割合も年々増加の傾向にあり、年間約 1 3,000 人が亡く なっています。これは乳がんを発症した人の 30%程度にあたります。

戦後しばらくの間は、日本の乳がん患者数は非常に少なかったという報告があります。 その原因として考えられていたのが、生涯で女性が経験する生理の回数です。

 戦後の貧しい栄養状態に加えて、生涯の出産回数が多かったことも、生理の回数が少なかったことの大きな要因です。


 たとえば、
1986年 ビバリー・ストラスマンという女性研究者が西アフリカはマリ共和国のドゴン 族と生活をともにし その民族が伝統的に避妊や出産制限を設けず、出産回数に関する一切の意図的な 作為をもたないことに注目し そのような自然なままの人間によってなされる生涯出産回数においては 生涯の生理回数はどれだけ違うのかを調査しました。

その結果として
ドゴン族の女性は平均して
16 歳で所長を迎え、出産は8、9回ほど。
初潮から
20 歳までの間は、平均、年7回の生理。
その後の
15 年間(20-34 歳)は、妊娠、および授乳のいずれかで大部分の期間を過ごすため
平均、年2,3回の生理。

 その後 35 歳から閉経期の 50 歳くらいまでは、生殖能力が衰え、生理は平均年 4 回。

合わせると、ドゴン族の女性は生涯で 100 回ほどしか生理がない。

対照的に現代の西洋文明社会に生きる女性は生涯に平均して 350~400 回の生理 がある。

 

◆生理の回数が乳がんとどのように関係するのか

 このように、生理の回数は、初潮を迎える年齢の若年化と生涯の出産回数の減少、 この2つによって顕著に増えているのが現代女性の置かれている状況なのです。

戦後の日本(1940 年代後半)もまさにこのような理由により、しばらくの間は生涯生理 回数が少なく抑えられ それによって、日本人女性の乳がんになる確率は米国人女性の六分の一であったそ うです。

 では、なぜ生理の回数が多いほど乳がんになる確率が上がってしまうのでしょうか? それは、乳房組織が、子宮、卵巣などの生殖器に劣らず 性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の影響を受けるからだと考えられていま す。

生理の回数が多いほど、これらのホルモンに乳房組織がさらされる回数が多いため それだけ、過度の細胞分裂が促される結果として ガンの発生率(DNAのコピーミス)も生じやすくなるのではないかということです。

乳がん検診、受けてますか?

 そういうわけで、いまや世界的に見ても日本国内を見ても 乳がんは、女性が罹患するガンの種類の中でナンバーワンの地位を占めています。

(死亡率の順位では、日本の場合、第 4 )

ということで、日本においても乳がんの早期発見のため 検診を呼びかける声はよく聞こえてきますね。

 

◆マンモグラフィーではガンは見えない

 乳がん検診といえば、代表的なものとしてマンモグラフィーが挙げられます。 ちなみに、マンモグラフィーで撮影されるのは、要するに単なるレントゲン画像です。 ですから、X 線が通り抜けない部分が影となり、その部分は白く写ります。X 線が通り 抜ける部分は黒色で表示されます。

ところが、腫瘍そのものは、X線が通り抜けてしまい、写らないのです。 ですから、マンモグラフィーで視認できるのはガンそのものではないのです。

乳房の場合、X線で写るのは主に、以下の2つの組織です。

乳腺が密集している部分が白く影になります。 また、石灰が溜まっている部分が白く影になります。

 では、なぜマンモグラフィーでガンが発見できるのでしょうか?実はマンモグラフィー で影として映るのはガンではなく、ガンが形成される際に発生すると考えられている石 灰なのです。

 

マンモグラフィーの欠点その1

 そこでいくつかのマンモグラフィーが抱える欠点があります。 まず第一によく知られているのは、乳腺が密集しているところに、ガンが重なってしまっている場合 ガンが生成した石灰も乳腺の陰に隠れて、判別できません。

高密度に乳腺が密集している部位が多ければ多いほど

このような見落としが生じやすいのですが

 誰しも乳腺が密集している部位はあるので 個人差こそあれ、だれでも見落とされてしまう可能性があるということです。 

 

◆マンモグラフィーの欠点その2

 ほかにも問題があります。 ガンと石灰は必ずしも一対一で対応するものでありません。 ガンがあれば石灰化が起こるとは限らず、 また石灰があればガンがあるとも限らないのです。

たいていのガンはゆっくりと成長し、それにしたがって石灰の沈着を起こします。 だから石灰の映像がガンの存在を示唆してくれるわけです。

 しかしながら、中には速いスピードで成長するガンもあります。 そうすると、ある程度の大きさに成長するまで、石灰の沈着が確認できない可能性が あります。
その場合、定期的にマンモグラフィーの検診を受けていたとしても 腫瘍のサイズが小さい段階では画像に映らず、見逃されてしまい その後ある程度大きくなってしまってからはじめて、触診などによって発見される というケースが多いようです。

 

◆判断のむつかしい非浸潤性乳管がん

 また、ガンとみなすべきかどうか、意見が分かれているのが

非浸潤性乳管がん(DCIS)とよばれる小さな腫瘍です。

これは、乳管の中に生じる腫瘍で、「非浸潤性」というのは 乳管の外へと浸潤していくことがないことを意味しています。

果たして、この腫瘍は、他のガンと同列に、危険な腫瘍として対処すべきなのかどうか
まだ明らかにはなっておりません。

しかし、マンモグラフィーの解像度が改良されるに従い 発見数が顕著に増加しました。 そして、発見された場合、たいていは切除する手術を行います。

しかし本当に切除する必要があるのかは疑問の声もあります。

 1987 年、デンマークの病理学者が、乳がんとは関係のない死因で亡くなった 40 代の 女性たちを解剖した結果
一体につき平均
275 の乳房組織のサンプルを調べたところ、約 40%の女性にガンの 何らかの痕跡が見つかりました。 しかもそのほとんどが非浸潤性乳管がんの痕跡でした。

 この地域では女性の死因の4%が乳がんで占められていたため 仮にその4%という数字がこれらの死者に対しても当てはまるとすると これらの死者が仮に長生きしていたとしても乳がんが死因で亡くなる確率は 4%であったといえるかもしれません。

そうだとすると、非浸潤性乳管がんが、死亡につながる乳がんへと発展する危険性も それほど高くないと推察されます。

 ただ現状では、非浸潤性乳管がんを詳しく調べることによって 将来的な危険を予測するということはまだできません。 ですので、リスクを考えると、すべての非浸潤性乳管がんは 見つかった時点で、何らかの対処を施すように勧められることになります。

◆まとめ

以上、つらつらと述べてまいりましたが、まとめると以下の通りです。

 乳がんの増加というのは、初潮の若年齢化、出産回数の減少によって 現代社会が抱えることになってしまった宿命的なものです。

現状では、マンモグラフィーと触診の併用が最も丁寧な 検診の方法となります。 マンモグラフィーだけでは見落としてしまう、成長の速いがんがあるので 触診にも利点があるということ

 また、逆にマンモグラフィーだからこそみつけられる 非浸潤性乳管がんについては、それほど深刻なガンに発展しない可能性も 高いため、本当に対処が必要かどうかは判断に苦しむところですが 現状では、危険性の選別をする手段がないため 医療機関では一律に、見つかったすべての非浸潤性乳管がんは 処置が必要と判断されることになります。

非浸潤性乳管がんについてのより詳しい選別方法の研究が 待たれるところであります。

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本日は、東京都世田谷ちゅうしん整体院 村山先生のコラムを紹介いたしました。