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世にも危険な夢遊病

夢遊病

 

◆有病率

 

 一般に 4~8 歳の間に発症し、最も頻度が高いのは 12 歳前後です。子どもの 10~ 30%が睡眠時遊行エピソードを 1 回以上経験しており、2~3%は何回も経験すると いう報告があります。子どものうちは女児に多く生じますが、大人は男性に多いと言 われています。大人の場合、単発の睡眠時遊行エピソードの有病率は 1.0~7.0%、 毎週あるいは毎月のエピソードは 0.5~0.7%です。生涯にわたる有病率は 29.2%で あり、大人の過去 1 年間の有病率は 3.6%です。睡眠時遊行エピソード中の暴力的 活動や性的活動は、大人に生じることが多いとされています。エピソード中に何かを 食べる症状は、女性に多く見られます。

(https://www.e-heartclinic.com/kokoro-info/special/eat_13.html より引用)

 

 注目するべきは生涯にわたる有病率が 29.2%というところですね。 一生のうちに最低一回でも夢遊病を経験した人が 30%近くいるというのは、経験して いない人から見ると、意外なほど多いんだなという印象です。

 ただ、最も頻度が高いのは 12 歳前後とあるように、幼少期のころに発症し、大人にな るにしたがってなくなってしまうケースがほとんどのようです。

 なかなか具体的な対処が難しい夢遊病ですが、命の危険が伴うこともあるので、身の回りにそのような方がいれば、注意が必要です。実際どのような危険があるのか、過 去の事例をみてみましょう。

 

◆夢遊病の危険な事例

 夢遊病は、本人の意識がないにもかかわらず、様々な日常的行為を行うことができます。

海外の例では、裸のままで芝刈りをしたり(しかも完全に全部刈り終わるまで遂行しています)、料理人だった人がオムレツをつくってさらにはそれを食べるところまで行動していたりします。

 

 もちろん、ベッドの外に出て、家の中を歩き回るのはよくあることで、場合によっては、 窓などからそのまま外に出てしまって、高い階にいる場合は、そこから墜落してしまうケースもあります。

 また、銃の保持を許されている国では、発砲の危険も伴います。そうなると、夢遊病の本人が危険なだけでなく、周囲の人たちが危険に巻き込まれることになります。

夢遊病の状態では前頭葉の働きが低下していることを確認した研究結果もあり、もしそうだとすると、様々な社会的な通念による抑制がきかなくなっているため、ためらいなく暴力的な行為におよぶ可能性も十分に考えられます。

ですが、実際のところは、そこまで極端な行動におよぶ例は少なく、多くの場合は、ベッドに起き上がる、服を着る、部屋の中を歩き回るなどにとどまります。

 

◆夢遊病のメカニズム

 通常の睡眠のサイクルは、はじめ浅い睡眠からスタートして、第一段階から第四段階へと徐々に深い睡眠に入っていきます。

 そして、第四段階からいったん第二段階へと戻ります。第二段階へと戻った時、レム 睡眠が起こり、その間に夢を見たり、短時間目が覚めたりします。ただし、このとき目が覚めてもすぐに寝てしまうため、本人は目が覚めたことを覚えていないのが通常です。

 この、短時間の目覚めから深い睡眠へと戻る過程で、脳の一部だけが中途半端に覚 醒しているときに、夢遊病の行動があらわれると考えられています。このとき、本人の自覚はなくても、普段無意識のうちにできるようになっている、習慣化された様々な動作が可能になります。

 

 睡眠のサイクルは一周期がだいたい90分程度ですが、サイクルを繰り返すごとに深い睡眠の割合が減っていきます。 夢遊病が起きやすいのは、眠り始めてからはじめの数時間です。深い睡眠に落ちやすい段階で起こるのが夢遊病だからです。

このことは、夢を見やすいのが、浅い睡眠の割合が増える、明け方であるのに対して、対照的です。
つまり、夢遊病においては、夢で見ていることを実際に行動に移すというのとは違うメカニズムが働いているのではないかということです。
 
 ところが、夢で見ている行動を実際に行ってしまうような睡眠障害も知られています。 レム睡眠行動障害と呼ばれる障害です。これは、レム睡眠、つまり夢を見ている状態 で起きる睡眠です。 これは、実際に夢を見ているときに、脳の中の体を動かすのに必要な部分だけが覚醒してしまい、夢で見ていることを行動に移してしまうのです。
 
同じくレム睡眠の最中に起こる現象ですが、レム睡眠行動障害とは逆に、意識だけが覚醒して、体を動かすのに必要な部分が覚醒していない状態で体験するのが、金縛 りのような恐怖体験です。この場合、手の指や足の指、もしくはまぶたなどを動かすことにより、速やかに脳が覚醒へと導かれ、金縛りから脱することができます。 

 

◆対処法と注意点

 睡眠不足や寝苦しさが、夢遊病の発現率を高めることが、研究結果として明らかにな っています。

まずこれらの悪条件を排除することが重要です。

 また、遺伝が関与していることもわかっているので、親族に同様の症状がある場合に は、自身や子供にも同様のことが起こる可能性に気を付けておくといいでしょう。

 

 大人の夢遊病に対しては、前述の通り、命の危険にも関わります。まず発症を抑える ことよりも、発症したときに身の危険がないように、環境を整える必要があります。たとえば、窓のカギをしっかり閉めるとか、一階で寝かせることで、高いところから墜落す る危険を防止するなどです。海外であれば凶器をすぐに手にとれない場所に管理することも必要かもしれません。

 

 また、実際に目の前の人が夢遊病を発症した場合には、安易に声をかけて起こそうとすると、こちらに向けて暴力的な行為で応じてくる可能性があるので、無理に起こそうとするのはあまりお勧めできません。

 

 子供の夢遊病に対しては、より建設的な対処が可能です。 まず、子供の夢遊病の発症が、眠り始めてから何分後に出るのかを、何回か観察して把握します。

前述の通り、眠り始めてから数時間以内に出る場合がほとんどですし、子供の場合は明らかに決まったタイミングで起こる場合が多いようです。

 

 それを把握したら、発作が起こる20分ほど前に子供を起こします。この時点では、夢 遊病の発作は起こっていないので、あくまでも穏やかに起こします。強引に起こす必 要はありません。優しく起こしてあげましょう。そして、一度水を飲ませたりして気持ち を落ち着かせてあげたら、再び眠らせます。研究結果ではこの方法を10日間行った 子供のうち3分の2以上が発作を起こさなくなったという報告があります。

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本日は、東京都世田谷ちゅうしん整体院 村山先生のコラムを紹介いたしました。