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口は禍の元

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無意識にすりこまれる情報たち

 

日々、様々な広告、宣伝、ニュースなどにさらされ、私たちの行動はどれだけ影響を受けているのでしょうか?

サブリミナル効果といったものも有名ですね。

今回ご紹介するのはプライミングという現象です。 先行して言葉や写真などでイメージを喚起されていると、その後の行動や思考に、本人が意図しない影響があらわれるというものです。

 

プライミングの実例

たとえばリラックスして次の文章を順にゆっくり読んで、最後の質問の答えを口に出していってみて下さい。

 

お米の色は何色?

砂糖の色は?

生クリームの色は?

ティッシュペーパーの色は?

 

では、牛が朝に飲むものは?

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つい、牛乳と答えたくなってしまいますね。

 

でも、よく考えると多分、水が正解。

 

 

解説 

 

はじめの4つの文章が「白」という色を喚起するため、最後の答えが白に関係するものに結び付いてしまうのです。

ここでのはじめの4つの文章は、事前に何らかのイメージを喚起するための刺激で、 これをプライマーといいます。

これに関してクリストフ・コッホは『意識をめぐる冒険』にて次のように述べています

プライマーの単語が、「白」というイメージを繰り返し頭の中で呼び出したときに、他の白いものと関連するニューロンの活動が引き起こされ、特におそらく決定的なことに、 白に関係するシナプスの活動が引き起こされたのだ。

そのため、牛と朝食に飲む液体の双方に関係のある液体の名前を挙げるように言われたときに、「牛乳」という答え が自動的に心のなかにうかんだというわけだ。 おもしろいのは、プライマーは直接に「牛乳」という単語を意識にのぼらせたわけではないという点だ。

 

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もうひとつ、別の例

 

ほかにも面白い実験があります。これも同書の内容からですが、要約して抜粋しますと、

高齢者に対するステレオタイプを引き出すような一群の単語、たとえば、「old(年老いた)」「lonley(寂しい)」などをプライマーとして使って、被験者の学生たちに短文をつくらせるのです。 どんな文章を書くのか?が気になるかと思いますが、ポイントはそこではありません。

その短文をつくった後に、実験会場からエレベーターまでの 10 メートルを歩くのにかかる時間が、プライマーの影響を受けるのではないかというのを測るのが実験の目的です。
当然、学生本人は、そんなところをチェックされているとは思っていません。

結果はというと、

高齢者に関する単語を用いた場合は、約8秒かかったが、高齢者と関係ない単語を用いた場合の被験者は約7秒しかかからなかったそうです。 このことに、本人はまったく気づいていないことでしょう。

 

無意識に作用しているものに気を付けて、よりよい生活環境を

 

私たちの思考や行動が、実はとても些細な環境要因から影響を受けているということ がよくわかります。 ですから、よりよい生活を求めるのであれば、自分の無意識に入ってくる様々な情 報、言葉や表情、目にするものなどに注意を払い、悪い影響には触れない生活環境を積極的につくることも大切です。

玄関を片付けて運気を上げましょう、なんていうのも、実際には、きれいに片付いている玄関を見ることで、本人の無意識にすりこまれるポジティブな影響が大きいのかもしれませんね。 (やっぱり玄関が片付いていれば、気分良く出かけられますからね!)

一番コントロールしやすいのは自分の発する言葉かもしれません。心のなかでつぶやいている言葉や、人に向かって行っている発言など、自分の出している言葉ほど、 1日の多くの時間を支配している言葉はありません。 「口は禍の元」。自分の人生の足をひっぱるような言葉遣いにはくれぐれも注意したいものですね。

 

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本日は、東京都世田谷ちゅうしん整体院 村山先生のコラムを紹介いたしました。