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知識習得のためにテストがもっている本当の意味

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テストの苦しみこそ恩恵なり

皆さん、テストはお好きですか?
好き、と答える方はあまり多くはないと思いますが その人は、経験的にテストが我々に与えてくれる恩恵を知っているのだと思います。

テストが嫌いな人は、テストにある種の苦しみを感じていることに気づくでしょう。 それは、思いだせないことを思いだそうとする苦しみです。

実は、この苦しみはあなたにとって大きな恩恵をもたらします。

 

クイズはなぜ楽しい?

ちなみに、ちょっと脱線しますが、同じように苦しいはずなのに なぜクイズだと面白く感じるのでしょうね?

多分、間違えてはいけない、というある種の義務感とか 強迫観念のようなものから、解放されているからだと思います。 クイズだと、間違えることそのものが楽しかったりもしますよね。

ただ、同じクイズでも、何度も同じ問題ばかり 出題されると、だんだん苦しくなってくると思います。 初見のクイズがある意味一番楽しいですよね。 それは、おそらく、未知の答えに対する興味が先立っているから だと思います。

知らないことを知るのは楽しいのに 一度知ったことは、たとえ忘れていることでも 興味を惹かれない、というのはなんとも面白い人間の性ですね。

テストの恩恵とは何か

話をもとに戻しますが、テストによる苦しみがもたらす 恩恵とはいったい何でしょうか?

それは、学習効果です。 そうです。「テスト」という言葉の本来の意味は「試す」、つまり 現在の学力を測定する意味あいが強いと思いますが 実は、軽視してはいけないのが、「テスト」のもつ学習効果的側面なのです。

たとえば、こんな実験があります。

テストをあまりにも早くやりすぎると 簡単に答えられるかわりに、学習効果が薄く

ある程度時間を置いて、答えるのに少し苦労する程度に 忘れかけたころにテストをやった時の方が 学習効果が高いというものです。

 

望ましい困難こそが必要なもの

現在ではこの、「思いだすのに苦労する」という苦しみこそが 学習効果を高めてくれるのだと考えられています。

これを「望ましい困難」と呼んでいます。 学習は適度に難しく感じることをやらないと 長期記憶として定着していかないということなのです。

苦しまないと身につかない、なんて なんだか、人間の業のようなものを感じますね(笑)

ただし、気を付けてほしいのは、テストする期間が空きすぎても 定着が悪いのだそうです。 テストをするべき適度なタイミングがあるということなんですね。 明確な判断基準はなさそうですが、イメージ的には あまりにも思いだしやすいほど、すぐにでなければよい。

その限りにおいて、なるべく早めにやった方がいい。 つまり、適度に難しいと感じるタイミングでやるのがいい ということになりそうです。

もし、ある程度の長文を覚えるのであれば、 読み終わった直後にやってもいいかもしれません。

しかし、短文、たとえば一文程度であれば 読み終わった直後にやっても意味がないかもしれません。

 

能動的な学習こそが記憶を強化する

また、別の観点からの実験で言うと ひとつの文章を暗唱するのに、ただひたすら何回も読み込むよりも 1回読んだら、次は、読むのではなく、間違ってもいいから 暗唱することを試みる(もちろん、つかえたら答えをチェックします) 方が、ずっと頭に残りやすいそうです。

自分から能動的に思いだそうとすることをしないで ただ、受動的にインプットするだけでは 身につくのに効率が悪いということなんですね。

これもまた「望ましい困難」のひとつですね。

最後に 1620 年に哲学者のフランシス・ベーコンが残した言葉を紹介して締めくくりた いと思います。
「本の一節を暗記したいなら、
20 回読むよりも、暗唱を試みて思いだせないときに本 を開くということを織り交ぜながら 10 回読む方がいい」 出典:『ノヴム・オルガヌム―新機関』 ベーコン著

 

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本日は、東京都世田谷ちゅうしん整体院 村山先生のコラムを紹介いたしました。